いざ軽貨物ドライバーになろうと思ったが、何をすればいいのかわからなかった。
これからはコロナでデリバリー業が熱くなると直感でそう思った
そんな時、目についたのが「軽貨物ドライバー」という働き方。
・初期費用が少ない
・自分のペースで働ける
・資格不要(普通免許だけ)
・頑張れば月収50万以上も可能?
「これ、意外とアリかも…?」
そう思ったものの、いざ始めようとするとわからないことだらけ。
どこに登録すればいい?
車はレンタルでもOK?
個人事業主ってどうやってなるの?
営業ナンバーってなに?保険は?確定申告は??
正直、何も知らないところからのスタートだった。
とりあえず、Google先生に聞いてみた。
「軽貨物ドライバー 始め方」
「軽貨物ドライバー 稼げる」
「黒ナンバー 取り方」
「軽貨物 フランチャイズ 地獄」
検索履歴はもう、不安と期待と疑問のごった煮状態。
調べれば調べるほど、情報が出てくる。けれどその分、怪しい情報も混ざってくる。
・「月収100万可能!」→ホントかよ
・「最短3日でデビュー!」→その後のサポートは?
・「加盟金0円!稼げる案件紹介します」→こういうのが一番怖い
正直、何を信じればいいのか分からなかった。
このままだと、情報に振り回されて終わりそうだった。
だから、僕は実際にドライバーをやってる人のSNSやブログを片っ端から読んだ。
YouTubeでリアルな体験談を漁った。
そして、「まずやるべきことリスト」を自分なりに整理してみた──。
実際にやった準備リスト
僕が“軽貨物ドライバーになるぞ!”と決めてから、実際に動いたステップがこちら。
1. 車両の購入(またはリース)
まず必要なのが、もちろん「軽バン」。
ただ、新車を買うほどの資金もなかったので、僕は中古のエブリイバンを探すところからスタート。
最近はリースやカーシェアでも営業ナンバー対応の車両を用意してくれる業者もあるけど、月々の固定費がかかるので慎重に比較した。
「仕事を辞めて無収入状態」からのスタートだったから、とにかく初期費用と月々のコストのバランスが重要だった。
2. 営業ナンバー(黒ナンバー)の取得
「軽貨物ドライバー=営業用車両」。つまり、**黒ナンバー(営業ナンバー)**が必須になる。
このナンバーがないと、配送の仕事を“事業として”請け負うことはできない。
陸運局に申請して、まずは届け出
黒ナンバーを取るには、地域の運輸支局(陸運局)での手続きが必要。
実質的には「個人事業主として運送業を始めます」という宣言でもある。
提出した書類は以下のとおり:
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軽貨物軽自動車運送事業経営届出書
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運賃料金設定届出書
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運賃料金表
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業務用自動車等連絡書
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車検証のコピー
※地域によって微妙に異なる場合があるので、事前に公式サイトで確認したほうがいい。
書類が通ったら、次は軽自動車協会へ
陸運局での受付が完了したら、次は自分の住んでいるエリアを管轄する軽自動車検査協会へ。
ここでナンバーを白ナンバー→黒ナンバーに変更する手続きを行い、ようやく営業車としてのスタートラインに立てる。
「意外と簡単だけど、面倒ではある」って話
正直、初めて聞いたときは「え、こんなに必要なの?」と少しビビった。
でも実際にやってみたら、事前に書類をちゃんと揃えておけば10分で終わるレベルの手続きだった。
行政書士にお願いすれば3〜5万円で代行してくれるけど、時間がある人なら自分でやった方が圧倒的に安上がり。
書き方もYouTubeで検索すれば丁寧な解説動画がゴロゴロあるので安心。
僕の場合、書類提出からナンバー取得まで、半日あればすべて完了した。
……ただし!
手続き自体は10分で終わったのに、陸運局に行くまでに1時間半往復で3時間かかった。
くそ暑いで渋滞の中、横浜の陸運局まで車で往復したのはマジでだるかった。
こんな手続きなんてオンラインで済みそうな気がするが・・・・
3. 開業届を出す(税務署に)
次にやったのが「開業届の提出」。
これは、「個人事業主として活動を始めました」ということを税務署に届け出る手続きだ。
ついでに青色申告承認申請書も一緒に出しておけば、経費計上や65万円控除などのメリットが受けられる。
……が、正直なところ、僕は最初の2年を白色申告で過ごしてしまった。
「よくわからないし、まだそんなに稼げてないから白でいっか」と思ってたけど、これが後にめちゃくちゃ後悔することになる。
この話は長くなるので、また別の記事で書きます(笑)
「サラリーマンと違って、税務署とか確定申告とか地味に面倒じゃない?」と思うかもしれないけど、これもフリーで働く人間の通過儀礼だと割り切った。
4. 委託先(契約する業者)を選ぶ【ここが最大の難関】
ここが、軽貨物を始めるにあたって一番悩んだ&引っかかったポイントだった。
ネットで検索すると、
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「加盟金ゼロで即日デビュー!」
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「月収100万円可能!」
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「高単価案件紹介します!」
みたいな謳い文句が並んでるが、正直なんか胡散臭い
月会費やロイヤリティだけ高くて案件は自力で探せとか
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最初だけ高単価、後から単価激落ち
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サポートと言いつつ放置プレイ
こんな話がゴロゴロしていて、正直「何を信じたらいいのか分からん…」状態だった。
S社の「宅配サポーター募集」に応募してみた
あまりにネットが信用ならないので、誰でも知ってるような某大手S社の公式サイトを見てみた。
そこに「宅配サポーター募集」と書かれていたのを見つけ、
「大手なら安心かも」と思って応募してみることにした。
数日後、電話で連絡があり「近くの営業所で面談します」とのこと。
面談で衝撃の事実を知る
指定された営業所に行き、面談開始。
いろいろと話を聞いてみたところ、衝撃の一言を言われる。
「弊社のお仕事をするには、契約している委託業社に所属してもらう必要があります」
……は?
てっきりS社と個人で直接契約できると思っていたのに、実際は
S社(元請け)→委託業社(中間業者)→僕(個人ドライバー)
という構造になっていた。
つまり、S社とは直接契約できないという。
「じゃああの“募集要項”は何だったんだよ……」
正直、意味がわからなかったし、がっかりした。
僕は「じゃあ無理なんですね」と言って帰ろうとしたが──
その時、面談してくれた社員さんがこう言ってくれた。
「もしよければ、委託業社をご紹介しましょうか?」
なんと、中間業者を直接紹介してくれるという話に。
ここで流れが大きく変わった。
大手S社の「宅配サポーター」報酬のリアル
紹介された委託業者と契約を結ぶ際に、報酬体系の説明があった。
基本的には、荷物を1個配達完了するごとに報酬が発生する“完全出来高制”。
シンプルに聞こえるが、サイズごとに単価が分かれていて、当時は以下のような内容だった(※多少記憶が曖昧な部分あり)。
荷物のサイズ | 単価(1個あたり) |
---|---|
160サイズ以下(一般荷物) | 160円 |
160〜170サイズ | 300円 |
170〜180サイズ | 400円 |
180〜200サイズ | 600円 |
商業荷物(企業や店舗宛) | 100円 |
加えて、売上の10%が「ロイヤリティ(マージン)」として差し引かれる仕組みだった。
たとえば、1日で1万5,000円分配達しても、実際の手取りは1,3500円ほどになる。
※この報酬体系は約3年前(筆者が契約した当時)の情報です。
現在は単価やロイヤリティ条件が変更されている可能性がありますし、営業所や地域によっても若干の違いがあるため、実際に応募される方は必ず最新情報をご確認ください。
稼ぐには「数をさばく力」がすべて
この報酬体系を見て、すぐに理解した。
「とにかく、量を配れないと稼げない世界だな」
特に、商業荷物は単価が安く、数を稼がないと全然金にならない。
とはいえ、大型荷物ばかり狙うのも非効率。重いし、荷室のスペースも圧迫する。
つまり、効率よく、かつ多くの荷物を回せる人が稼げる世界。
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ルートの最適化
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荷台の積み方の工夫
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再配達を減らす努力
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時間帯のコントロール
このへんのスキルが“収入を左右する”と言っても過言じゃない。
まとめ
「軽貨物ドライバーって、気軽に始められそう」と思っていたけど、実際は思った以上にやることが多かった。
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車の準備(購入 or リース)
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黒ナンバー取得の手続き
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税務署で開業届を出す
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信頼できる委託業社を探す(ここが一番しんどい)
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単価やロイヤリティなど報酬体系を理解する
ネットにはキラキラした成功談も多いけど、現実は**“地味な準備の積み重ね”が8割**。
とくに委託業社選びは、情報が錯綜しているぶん慎重に動いたほうがいい。
契約内容も「個数報酬+10%ロイヤリティ」など、意外と知られてない落とし穴もある。
でも、それでも僕は思う。
「この働き方は、自分の力で生きていくための“入り口”になるかもしれない」と。
次回は、実際に稼働を始めてからの“1日密着”体験や初月のリアルな収入・反省点について書いていきます。
「軽貨物やってみたいけど不安…」という人にこそ、届いてほしい。
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