毎年4月の中盤になると、ネットやニュースでよく見かける話題がある。
**「新卒社会人の早期離職」**についてだ。
SNSでも「1ヶ月で辞めた」「もう無理」なんて投稿が溢れ、それに対して「今どきの若者は根性がない」といった批判の声が上がる。
私の時代はよく言われたものだ。
**「新卒ですぐ辞めるなんて根性がない」「3年は我慢しろ」**と。
でも、令和の時代になり、仕事との向き合い方は確実に変わってきている。
仕事に対する価値観が大きくシフトしているのだ。
今回は、実際に会社を辞めた私の体験も交えながら、
「静かなる退職(Quiet Quitting)」や「出世に興味がない」という新しい価値観、そして今の若者がなぜ早期退職を選ぶのか、そのリアルについて語ってみたい。
新卒で即辞める若者が増えている理由
かつては「石の上にも三年」と言われたが、今の若者はそれに縛られない。
辞める理由も、実に現実的だ。
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職場の人間関係
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将来性を感じない業務
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入社説明会と現実のギャップ
私自身、説明会では「休日出勤は任意です」なんて言われていたが、
実際に現場に配属されると「仕事が回らないから必ず出勤して」と言われた。
他にも理不尽なことはいろいろあった。
こういった**“入社してみないと分からない違和感”**が、若者の早期退職を後押ししている。
退職代行という“逃げ道”がある安心感
近年、「退職代行」という選択肢が一般的になってきた。
以前は「甘え」と批判されることもあったが、今ではごく普通の退職手段になっている。
実際、自分で退職を申し出てからのプロセス、
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上司との面談
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同僚からの引き止めなどの小言
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退職届のやり取り
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最後の引き継ぎなどの手間
…などなど、精神的にしんどいことが多すぎる。
私もそのプロセスにすごく疲弊した記憶がある。
「辞める」と決めた人に引き止めの言葉って、正直もう何言っても心に刺さらないのにうっとうしさを感じた。
「静かなる退職」という新しい働き方
「辞めるのはちょっと…でも、全力で働くのもしんどい」
そんな若者が選ぶのが、静かなる退職(Quiet Quitting)。
与えられた仕事はきっちりこなすけど、
それ以上の残業や自己犠牲はしない。
評価や昇進より、自分のメンタルやプライベートを優先するスタイル。
辞めるよりも、“のらりくらり”と最低限だけこなす方がコスパがいいという考え方もある。
出世なんて、正直どうでもいい
正直、私は**「出世=幸せ」**とは思えなかった。
上司を見ていても、毎日ピリピリ。
始業2時間前に出勤して、メールチェック、業務の指示、自分の仕事は後回しで残業…。
あれが“出世した姿”なら、なりたいと思えなかった。
それより、自分で副業して稼ぐ道を探す方がよっぽど現実的に感じた。
昇給を狙ってストレスを溜めるより、自分で行動した方が早い。
今の若者が「仕事」に求めているもの
今の若者たちは、仕事を人生の“中心”には置いていない。
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仕事=人生 という価値観に共感できない
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プライベートや人間関係、健康を大事にしたい
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無理して働く=美徳という価値観はもう古い
彼らは人生を“消耗戦”にしたくないのだ。
自分らしい働き方を選ぶのは「わがまま」じゃない
今は「自分らしく働くこと」が当たり前になりつつある。
それは決して「甘え」ではなく、価値観が成熟した結果だと思う。
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正社員じゃなくてもいい
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フルリモートや副業中心でもいい
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自分に合った働き方を自分で選ぶことが何よりも大切
そうやって、若者たちはしなやかに、自分の人生をデザインしようとしている。
最後に:辞める勇気は、生きる勇気
新卒で辞めるのは、たしかに勇気がいる。
でも、それは「逃げ」ではない。
**「自分の人生を守るための行動」**だ。
私はあの時、辞めてよかったと思っている。
苦しいまま続けていたら、自分を嫌いになっていたかもしれない。
働き方に正解なんてない。
あなたにとって一番心地いい働き方を、少しずつ見つけていけばいい。
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