「なぜなぜ解析とは?トヨタ式思考法を人生と習慣改善に応用する方法」

習慣化

自分の人生に“なぜなぜ解析”を使ってみたら、驚くほど生きやすくなった話

「えっ、あの“トヨタの品質管理”が、悩み解決や感情整理に使えるの?」 そう思ったあなた。正解です。

会社員時代、イヤというほどやらされていた「なぜなぜ解析」。 トラブルが起きるたびに、「なぜ?」を5回繰り返して原因を追究させられたあの地獄の時間。 あれを思い出すと、胃のあたりがちょっと苦くなる。

でもその頃の経験が、まさかフリーランスになった今の自分の人生改善に役立つなんて── 正直、思ってもみなかった。


なぜなぜ解析って何だっけ?

「なぜなぜ解析」とは、 ある問題や現象に対して「なぜ?」を繰り返して、根本原因をあぶり出す手法

もともとはトヨタ生産方式(TPS)で、製造現場の品質改善のために開発された。 創始者の一人・大野耐一氏はこう語ったとされる:

「なぜ?を5回繰り返せ。そうすれば真因が見えてくる。」

その考え方は、いまや製造業だけでなく、心理学・行動経済学・自己成長の分野でも使える“思考の掘削機”だ。


フリーランスになって、問題の「責任者」はすべて自分になった

会社を辞めて独立したとき、最初に感じたのは**“自由”と“不安”の混在**だった。

誰にも怒られない。 好きな時間に働ける。 けれど、売上が立たなければ即アウト。 誰のせいにもできない。

そんな中で、うまくいかないことがあると、つい感情的に嘆いていた。

  • 「定期で契約してくれる業者がない…」

  • 「メンタルが落ちる…」

  • 「人間関係がしんどい…」

でもあるとき、ふと思った。

「これって、全部“なぜなぜ解析”すればいいんじゃないか?」


実際に“自分”に向かってなぜなぜしてみた

たとえば、ある月の売上が激減したとき。 当時の自分は、こう思っていた。

「今の時期は閑散期だししょうがない。運が悪かった。」

でもそれで終わらせていいのか? 自分自身に“なぜなぜ”してみた。

なぜ売上が減った?
→ 案件が来なかった

なぜ案件が来なかった?
→ エリア拡大の営業活動をしていなかった

なぜ営業してなかった?
→ エリア拡大する気が出なかった

なぜやる気が出なかった?
→ 前の案件でトラブルが重なって落ち込んでいた

なぜトラブルが起きた?
→ クライアントと最初に認識をすり合わせなかった

なぜすり合わせなかった?
→ 「面倒だし言いづらい」「いろいろ言われるし」と思ってスルーしていた

結果、売上が落ちた原因は「営業不足」ではなく、 自分の中にあるコミュニケーションの苦手意識だった。


僕は“なぜなぜ”を、毎日のジャーナリングに取り入れている

この“なぜなぜ解析”、僕は毎日のジャーナリングに組み込んでいる。

書くテーマはいつもシンプル。 「モヤモヤした」「焦った」「ダルかった」 そんな感情に“なぜ?”を重ねていく。

たとえば、

「今日はなんかダルかった」
→ なぜ? 昨晩スマホを長く見すぎた
→ なぜ見すぎた? 頭を切り替える気力がなかった
→ なぜ気力がなかった? ストレスが溜まってた
→ なぜストレス? 納期が詰まってた
→ なぜ詰まった? スケジュール立ててなかった

感情→行動→習慣→思考の癖へと、徐々に真因が見えてくる。

▶ なぜなぜジャーナリングの基本ステップ

  1. その日の気になった感情を1つ選ぶ

  2. 「なぜ?」を3〜5回書き出す

  3. 最後に「じゃあどうすればいいか?」を一行で締める

こうすることで、ただの感情日記が人生の改善ノートになる。


原因はまさかの“そこ”?なぜなぜでわかった衝撃の真実

“なぜなぜ”をやっていると、本当の原因は意外なところにあると気づくことが多い。

たとえば、「気づいたら月末にお金が残っていない」と焦った日。
よくよく問いかけてみたら、こんな流れだった。

「なぜか財布にお金が残っていない」と感じた
→ なぜ1 毎日コンビニやスーパーでちょこちょこ使っていた
→ なぜ2 なぜ毎日コンビニやスーパーで買い物している?
→ なぜ3 まとめて買いものしないから余計なものを買ってしまう
→ なぜ4 毎食のメニューを考えながら買い物するのがめんどくさい

原因→毎日の食事メニューを考えるのがめんどくさいから

──まさか、そこかよ!
でもこれが、リアルな“根本原因”だったりする。

ちなみに僕の場合、この“根本原因”を解決したのは、おうちコープのような食材宅配サービスを使い始めたことだった。決まったセットが届くことで、毎回メニューを考えるストレスが減った。買い物に行く回数が減り、無駄な出費も減った。
逆に、メンタルが落ちる原因が、実は 「3日前にやらかした失敗をまだ引きずっていた」など、 感情の奥底に沈んでいた未処理のものだったりもする。

掘ってみなければわからない。
でも掘ったからこそ、同じ落とし穴にハマらずに済むようになる。


科学的に見ても「なぜなぜ」は理にかなっている

この“なぜなぜ解析”、心理学・脳科学の観点からも効果が認められている。

✅ メタ認知(Metacognition)

思考を客観視する力。学習効果・問題解決・自己理解に深く関与。

✅ 認知行動療法(CBT)

自動思考や信念のパターンに「なぜ?」と問いかけ、行動変容を促す。

✅ 行動経済学

判断ミスや習慣的選択の背景にある非合理性を、「なぜ」で特定する。

✅ マインドフルネス

「いまここ」の感情に気づき、「なぜそれを感じたのか?」と探ることで、 ストレスや不安の調整に効果を発揮。


まとめ:なぜなぜは、自分の“取扱説明書”をつくる作業

会社員時代に散々やらされていた「なぜなぜ解析」。 当時はただの義務だったけれど、

今ではそれが、自分の感情・行動・思考を理解する最強ツールになっている。

  • モヤモヤの正体が見えるようになる

  • 習慣を改善できる

  • 無駄な自己否定が減る

  • 行動に納得感が出る

問題はいつも、「目に見えない場所」にある。

だからこそ、「なぜ?」と問いかける価値がある。

もしあなたが今、

  • 何かに悩んでいるなら

  • 前に進めない理由がわからないなら

  • 同じことで何度もつまずいているなら

ぜひ、自分自身に“なぜ?”と問いかけてみてほしい。

意外な場所に、あなたを変えるヒントが眠っているから。

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