幸せになりたい。でも、何から始めればいいのか分からない——。
そんな漠然とした不安を抱えていませんか?
橘玲さんの『幸福の資本論』は、幸福を「お金」「人」「社会」という3つの資本で定義し、私たちが今からできる「幸福の土台づくり」の方法を教えてくれる本です。
この記事では、その要点をわかりやすくまとめつつ、実生活への活かし方も紹介します。
1. 幸福は「3つの資本」で決まる
本書の最大のポイントは、幸福を3つの資本(インフラ)で測るという考え方です。
1-1. 金融資本(Financial Capital)
預金、株式、債券、不動産などの資産。
これらから得られる利子や配当、家賃収入が生活の安定を支えます。
いわば「お金の土台」です。
1-2. 人的資本(Human Capital)
自分の労働力や稼ぐ能力のこと。
専門スキルや経験、健康状態なども含まれ、これが高いほど安定した収入を得やすくなります。
1-3. 社会的資本(Social Capital)
家族や友人、恋人、地域コミュニティなど、人とのつながりから生まれる信頼や支援。
お金には換算できないけれど、人生の豊かさを決める大きな要素です。
お金・人・社会の3つの資本をバランスよく育てるには、まずは生活習慣の見直しが欠かせません。
→ 習慣化の壁を壊す12の行動ルール|失敗する2つの理由とは?
2. 設計できないものとできるもの
橘氏は、幸福を左右する要因を「設計できないもの」と「設計できるもの」に分けます。
- 設計できないもの:生まれや環境(いわゆる「親ガチャ」)、運命的な出来事
- 設計できるもの:職業選択、学歴、良い習慣、結婚や独身の選択、起業など
つまり、「3つの資本」は自分の行動や選択で育てられる“設計可能な資産”というわけです。
3. 幸福の8つのパターン
タイプ | 持っている資本 | 特徴 |
---|---|---|
貧困 | ほぼ資本なし | 貧困状態 |
プア充 | 社会的資本のみ | 地方の若者やマイルドヤンキーに多い。友人は多いが、お金と稼ぐ力が不足。 |
ソロ充 | 人的資本のみ | 稼ぐ力はあるが、交友関係や資産形成が弱い。 |
退職者 | 金融資本のみ | 定年退職後、社会的つながりや稼ぐ力を失う。 |
リア充 | 人的+社会的資本 | 高収入で友人も多いが、資産は少ない。 |
金持ち | 金融+人的資本 | 投資家や起業家。お金はあるが孤独になりやすい。 |
旦那 | 金融+社会的資本 | リタイア後に社会に貢献し、つながりを得る人。 |
超充 | 全部持っている | 理論上存在するが、著者曰く「ほぼいない」。 |
4. 自分の現状を診断する
この分類は、自己分析のツールとしてとても有効です。
私自身も読後に診断してみたところ、「ソロ充」タイプでした。
稼ぐ力はあっても、資産形成と人間関係の維持に課題があると気づきました。
5. 資本を増やすためにできること
5-1. 金融資本を増やす
- 支出を見直し、余剰資金を投資へ回す
- NISA・iDeCoの活用
- 消費よりも資産購入を優先
資産形成を始めるなら、節約と投資のバランスが重要です。
→ 貯金ゼロの40代は珍しくない|今すぐ変われる“貯まる人の習慣”とは?
→ 時間投資エクササイズ|人生の“ROTI”を最大化せよ
5-2. 人的資本を高める
- 資格やスキルの取得
- 健康管理(運動・食事・睡眠)
- 副業やプロジェクトで経験を積む
稼ぐ力を伸ばすには、知識とスキルの積み上げが欠かせません。
→ 副業が続かない理由と、続く人がやっていること
→ 向上心がない人は、なぜ年収も低く、モテないのか?
5-3. 社会的資本を広げる
- 友人や旧知との再会
- 趣味・学びのコミュニティ参加
- SNSでの価値ある発信
人とのつながりは、幸福度だけでなくチャンスにも直結します。
→ 趣味が副業のきっかけに?仕事とプライベートを充実させる理由
→ “いい人”をやめたいあなたへ|壊れた心を回復させる4つの心理アプローチ
6. 本から得た行動の変化
- 出費を見直し、投資信託を積立開始
- 友人に久しぶりに連絡し、飲みに行った
- 健康維持のために運動習慣を強化
こうした小さな行動でも、「3つの資本」を同時に増やすことが可能です。
7. まとめ:幸福は戦略的につくれる
『幸福の資本論』は、「幸福は運任せではなく、設計できる」という視点を与えてくれます。
お金・人・社会という3つの資本は、意識的に増やすことができる未来への資産です。
まずは自分の現状を把握し、足りない資本を補う行動を始めましょう。
幸福は待つものではなく、つくるものです。
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この記事の原点になった本

出典:『幸福の「資本」論』(橘玲著/ダイヤモンド社)をもとに作成した記事です。
※本記事のアイキャッチ画像はAIによるイメージ画像です。
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